肩書きをひとつに決めるより、作りたい体験に必要なものを選ぶ。音が必要なら音を作り、質感が必要ならテクスチャを作り、情報が必要ならWebサイトに整理します。
制作物ではなく、受け取る瞬間から考える
音楽、映像、ゲーム、Webは、それぞれ違う道具と技術を使います。それでも、受け取る人にとってはひとつの体験です。サイトの読み込みが遅ければ世界観に入る前に離れてしまい、情報が見つからなければ内容が良くても使い続けられません。
だから制作では、最初に「何を作るか」だけでなく、「どんな状況で、誰が、何を感じたり解決したりするのか」を考えます。OplusならDiscordで交流する人が自分の活動を見せられること、攻略DBならプレイヤーが次の行動を決められることが中心です。
世界観と情報設計を分けない
強い色や派手な演出があっても、目的の情報に届かなければWebサイトとしては弱くなります。反対に、整った表だけでは、その作品らしさやコミュニティの温度が伝わりません。
z² Archiveでは作品から受け取る「Kawaii、儚い、青色」の感触を土台にしながら、曲を発表日順に探せる年表を中心に置いています。ランダムダイス2攻略DBでは、ゲームらしい視覚性を残しつつ、ダイス、デッキ、解放方法という目的別の入口を先に見せています。見た目と使い方を同時に設計することが、分野をまたぐ制作の強みだと考えています。
必要な技術から始めるのではなく、
必要な体験から技術を選ぶ。
小さく公開し、使われ方から育てる
Webのプロジェクトは、公開した日が終わりではありません。実際に使う人がどこで迷い、どの情報を繰り返し見るのかを知ってから、初めて次の改善が見えてきます。
最初からすべてを詰め込まず、中心になる価値を動く形にして公開する。その後、必要な説明、検索方法、関連ページへの導線を追加します。運用まで制作に含めることで、単発のページではなく、時間と一緒に価値が増える場所になります。
違う分野の経験を、次へ持っていく
音楽で覚えた間の取り方は画面の余白へ、テクスチャで考えた質感はWebの背景へ、ゲームで知ったルールの伝え方はナビゲーションへつながります。分野をまたぐと、ひとつの技術だけでは見えなかった選択肢が増えます。
すべてを一人で完結させるという意味ではありません。専門を持つ人と協力するときにも、全体の体験を理解していれば、目的や判断基準を共有しやすくなります。VII Studioのようなチームでの制作でも、この横断する視点を活かしたいと考えています。